「どうしたの?」
「あのね、未央もお手伝いする」
「え?」
「ねーねとお母しゃんのお手伝いしたい!」
まだ二歳だからわかるわけないって思っていたけれど、未央は誰よりも私たちのことを見ていたのかもしれない。
それで、未央なりに協力しようとしてくれている。
「うん。一緒に覚えていこう。その前にぎゅってしていい?」
「おいで」
「はは」
私は広げられた小さな手の中に入る。
いいお姉ちゃんにはなれないかもしれない。でも私は未央のお姉ちゃんでいたい。
この愛しい気持ちをなにがあっても忘れないでいよう。
そして夜。部屋の窓を開けて空を見上げた。
――『俺はいつでも響のことを見てたよ』
私も、旭のことを見てた。
これからも見ていきたいと思う。スマホを取り出して私は彼にメールを送った。
【土曜日。十七歳の私で会いにいきます】