「俺が三浦くらいの歳の時は怖いもの知らずで好き勝手やって怒られたけど、今振り返っても色んな人に迷惑かけといてよかったって思うよ」
「……迷惑かけてよかった?」
「大人になると好き勝手なことができなくなるからな。俺から見る今のガキどもは子供らしくないっていうか、反抗すらしないやつが多いだろ。自分の意見を飲み込んで親とか周りのことばかりを考えすぎる」
「………」
「お前だってこうしたいって思ってることがあるんじゃねーの?」
たしかに頭で思っていることはたくさんある。
でもいつも考えてるだけで、時間だけが過ぎていく。
「これだけは譲れないってものがあるなら突き進め。それが十七歳だよ」
先生の言葉に、ハッとした。
俺は進むことを諦めていた。
迫り来るタイムリミットに怯えて、どうすることもできずに、ずっとずっと立ち止まっていた。
俺がしたいこと。
譲れないこと。
突き進みたいと思うこと。
ある、こんなにも。
捨てきれなかった気持ちが、数えきれないほどに。