旭とは駅で待ち合わせることになっている。

プリーツが入っているスカートは歩くたびにふんわりと揺れて、気持ちまで弾ませる。

……二年ぶりに旭に会うんだ。

彼はどんなふうに成長してるだろう。

今まで十七歳の彼をいくら想像しようとしても、頭で思い描くことはできなかった。

私、大丈夫だろうか。幻滅なんてする人じゃないことはわかっていても不安が拭えない。

駅前にまだ旭の姿はなかった。急がせるのも悪いと思って、着いたよと連絡するのは控えた。

今さら替えようがない洋服を見返しながら、手鏡で顔をチェックする。よかった。ニキビとかできてなくて。

勢いでいつもは付けないリップをしてきたけれど、変じゃないかな。……落ち着かない。

こんなにも胸がそわそわするのは、久しぶりだ。


「響」

しばらくすると、ふいに名前を呼ばれた。

……き、来た。はやる気持ちを抑えられずに振り向くと……そこにはいたのは旭じゃなくて、見知らぬ女の子だった。