いつの間にか祖母たちは退席していて、部屋には二人っきりになっていた。
黙っていても仕方がないので、杏奈はプロフィールに書いてあった職業について触れる。
「えっと、お仕事はクリエイティブプロデューサー?でしたっけ?」
「はい、聞きなれないですよね。」
杏奈が首を傾げると、広人はカバンからペットボトルを取り出す。
「そうですね、例えばこのお茶のペットボトル。このまわりのラベルのデザインを手掛けたりとかしています。要するにデザイナーの一種です。」
「デザイン…。」
手渡されたペットボトルのラベルをまじまじと見る。普段何気なく買って何気なく飲んでいたペットボトル一つにそんな仕事があったとは驚きだ。
「杏奈さんは建築士ですよね?設計とか?」
「うーん、私もどちらかというとデザインが主な仕事です。」
杏奈の言葉に、広人はポンと手を叩く。
「では同業者ですね。」
「えっ?ちょっと違いません?」
杏奈のツッコミに、思わず二人でクスクスと笑い合う。
とても優しく笑う広人に、杏奈は釘付けになった。
なのに、目が合うとふいと外されてしまう。
(うーん、わからないわね。)
杏奈は一瞬楽しかった気がしたが、よく考えたらお見合いを楽しみに来たわけではなかった。嫌々参加で断る気満々なのだ。
広人も目が合うと何度も視線を外してくるので、彼もまた、祖母に言われて渋々来たのではと杏奈は推測した。
とはいうものの、メガネはとてもダサい広人だが、とても礼儀正しく優しい雰囲気だったので、不思議とあまり嫌な気分にはならなかった。
黙っていても仕方がないので、杏奈はプロフィールに書いてあった職業について触れる。
「えっと、お仕事はクリエイティブプロデューサー?でしたっけ?」
「はい、聞きなれないですよね。」
杏奈が首を傾げると、広人はカバンからペットボトルを取り出す。
「そうですね、例えばこのお茶のペットボトル。このまわりのラベルのデザインを手掛けたりとかしています。要するにデザイナーの一種です。」
「デザイン…。」
手渡されたペットボトルのラベルをまじまじと見る。普段何気なく買って何気なく飲んでいたペットボトル一つにそんな仕事があったとは驚きだ。
「杏奈さんは建築士ですよね?設計とか?」
「うーん、私もどちらかというとデザインが主な仕事です。」
杏奈の言葉に、広人はポンと手を叩く。
「では同業者ですね。」
「えっ?ちょっと違いません?」
杏奈のツッコミに、思わず二人でクスクスと笑い合う。
とても優しく笑う広人に、杏奈は釘付けになった。
なのに、目が合うとふいと外されてしまう。
(うーん、わからないわね。)
杏奈は一瞬楽しかった気がしたが、よく考えたらお見合いを楽しみに来たわけではなかった。嫌々参加で断る気満々なのだ。
広人も目が合うと何度も視線を外してくるので、彼もまた、祖母に言われて渋々来たのではと杏奈は推測した。
とはいうものの、メガネはとてもダサい広人だが、とても礼儀正しく優しい雰囲気だったので、不思議とあまり嫌な気分にはならなかった。