帰ってから、再びお風呂を借りにお邪魔した。
浴後、リビングでミナトと少し話をしていたのだけど、途中からミナトがうつらうつらし始めて、いつの間にか眠ってしまった。
「ミナト寝ちゃったのね」とアサミがソファで寝ているミナトの横に座った。
「うん」
アサミがふと歌を口ずさむ。聞いたことのあるメロディーになんだろうと耳を澄ます。
童神だ。
沖縄の子守歌のようなものだとハナは思っていた。
「この歌、好き。お父さんが沖縄民謡とか好きだったから、その影響でお母さんも沖縄の歌好きになったみたいで、たまに歌ってくれたんだ」
「そうなの」と微笑んで、また続きを歌った。
イラヨーヘイ イラヨーホイ イラヨー愛し思産子
泣くなよーや ヘイヨー ヘイヨー太陽光受きてぃ
ゆういりヨーや ヘイヨー ヘイヨー 勝さてぃ給り
温かさがあるのに、どこか切なくなるのは産まれてきた子が悲しいと言われているように聴こえてしまうからだ。愛しなのに、そう受けとってしまう。
(そういえばお母さんから、メッセきてたっけ。あと返事しよう)
そろそろ帰ろうかと思っていたら、二階からカイリに声をかけられた。
「ハナ、出来たぞ」
唐突だったけど、すぐに島ぞうりのことだとわかった。