「お父さん」
「おう。来たか」
たまには二人で夜ご飯を食べようと、庭でバーベキューをした。
「こっちは日が長いね」
「そうだな。今の時期は特に日が長いかもな」
8時くらいまで明るいときもあり、異国にでも来たような気分になる。
「今日は、ハナ、なにしてたんだ?」
「今日はね、ナギサくんに勉強教えてもらって。あとミナトとも遊んだよ。砂絵っていうの? あれ久しぶりにやったけど、面白いね。そうだ。ナギサくんが、今度、リナちゃんも誘って遊ぼうかって言ってくれて、学校始まる前に少し仲良くなれたらいいな」
ヨウイチはハナがここに来て、楽しく過ごしているのだなと感じて目を細めた。
「そうだ。今度、石垣に買い物でも行くか?」 と提案する。シーズン中ともあって、なかなか忙しくどこにも遊びに連れていけてなかった。
「買い物?」
「うん。全然、月島から出てないもんな。向こうはけっこうお店あるから楽しいと思うぞ。あと観光でもするか。一応な」
「可愛いカフェとか沢山あるって聞いたし、楽しみだな」 とハルカから教えられていたことを思い出して微笑む。ヨウイチはずっと気になっていたことを訊ねた。
「習字のほうはどうだ?」