それから6年後。
その少女、高木葉凪は15歳になった。
ひとり石垣島の空港に立ち、驚きながら辺りを見渡している。
沖縄から飛行機で一時間程かかる離島と聞いていたので、 何もないと思っていたのに、想像とあまりに違かった。
南国の木や花が色鮮やかで、イートインのフロアはカフェテラスのような解放感があった。白いパラソルが広がる。
おまけに7月という夏真っ盛りの季節のせいか、人の賑わいもあった。
空港の正面玄関を出ると、さんさんとさす太陽と熱い外気が身を包んで、思わず「あつっ」と呟いた。
東京で見た太陽と同じはずなのに、全然違う。太陽二つ分はあるかもしれない。
汗が滲んできたけれど、急に日焼けすると火傷すると言われたから、羽織っていたUVカットのカーディガンは脱げそうにない。