早速、その場でお気に入りのくまのスタンプを送ると、ソウメイが「可愛いね。シャケをくわえてる」と笑った。
「可愛いでしょ。先生も、暇なとき、いつでも連絡してね」
「うん」

先生の家を訪ねるといつもひとりなのだけど、彼女という人はいるのだろうか。カイリでさえ、小学生で彼女がいたと言うなら、先生はいたって不思議ではない。でもいたとしたら、ちょっと嫌だなと感じた。訊くのが恐かったのだけど、思い切って
「……先生はさ」
「ん?」
「好きなひといる?」
「好きなひと?」

きょとんとするので「カイリにね、昔、彼女がいたって聞いたから。先生も彼女っているのかなって思って」と説明する。
「彼女? ふふ。ハナもそういうこと気にするようになったんだね」
と笑うので、いつまでも子供のように思われているのだと気づいて、少しむっとした。