「うん。嬉しくて」と笑って答えた。
「そうば。よかったな」とミナトがキラキラとした笑顔で答える。手にしていた茶菓子を食うかと差し出すので、「私もあるからいいよ」と首を横に振った。

「お前、なにがいい?」とカイリが唐突に訊ねる。
「なにが? お菓子?」
「ちげーよ。島ぞうり。彫るところ見たいんだろ。どうせ彫るならハナの彫るけど。なに彫る?」
「……満点の星」
「満点の星」
ちょっと眉間にしわを寄せてから、目をつむる。少ししてわかったと答えた。

「それは、楽しみだね。ハナ、お茶、おかわりする?」とソウメイが言うので、うんと元気よく頷いた。

少し視界が開けて、内側が明るくなっていることに気づく。

小さな一歩のようで、とてもとても大きかった。
これから踏み出す日々を、なんとなくだけど希望を感じて過ごしていける。
そんな風に感じるには充分なほどに。

頬をなでる風も、優しく愛を囁いているようだった。