先ほどまではわからないと感じていたのに、今は不思議と、言葉が身体に入っていた。 「……うん」 「感情は自分の為に味わうものだよ。いいも悪いもない。 そうして成長するんだ。成長とはなにかを成し遂げることでも、出来るようになることでもない。純粋な自分を思い出していくことなのだから。 感情を味わわないと、自分のものではないと気づけない。 だから、声にだしてごらん。少し変わるかもしれない」 「うん」 「僕は向こうにいるから、なにかあったら呼んで。大丈夫」と、ハナをそっと抱きしめた。