太った三日月のような形をしたこの島は、1時間あれば1週出来る広さだそうだ。
ハナ達の住む場所は西側になり、月の欠けている部分でいえば真ん中あたりになる。
島の中央部には、二学期から通う小・中学校があって、東集落と中集落の二つにわけられていた。
民宿てぃだはその集落からは少し外れたところにあるようだ。
ちなみにスーパーなんてものはないから、東集落に商店が一つあるとナギサが説明してくれた。
どこを走っても、のどかだった。
東集落を抜けると、昔の船着き場だった旧桟橋が見え、遠浅の海が広がった。
「海、何度見ても綺麗だね」
「うん。海は色を変えるからね。毎日見ても新鮮な気持ちになるよ」とナギサが言う。
「今日は、時間がないから泳がないけど、ここの桟橋から飛び込むの楽しいよ。今度やろうね」とハルカが誘った。