「ミナトの秘密基地? 行ってみたい!」
「別に俺は教えなくてもいいけどな。どうしてもってハナが言うなら連れてくど」と勿体ぶると「ミナトは保育園だから、ダメよ」と、いつの間にか後ろにアサミがいて、帽子をかぶせると、手慣れたように連れ去った。
「俺も遊ぶー!」という声だけが聞こえ、ヤエが「でーじ(大変)」と呟いた。
◇
夏休みということもあり、ナギサ達は民宿の手伝いをいつもよりするという。
その日も居室に掃除機をかけたり、洗濯をしたりしていたので、ハナも一緒に手伝った。
午後になり、ナギサとハルカと島を回ることになった。
ヨウイチがハナの自転車を用意してくれていたので、サドルをあわせた。
二人とも目深にキャップをかぶっていて、ハルカは今日もふざけたサングラスをしていた。目から日焼けするからという理由だそうだけど、そのわりにはしっかり日焼けしている。
肌が弱いからと長袖のパーカーを羽織っているナギサのほうが白かった。