帰りはすぐそこなのだけど、夜のドライブに行くかとヨウイチに誘われ、車を走らせた。

数分で着いたのは、ヨウイチのダイビングショップだった。ログハウスの造りをしている。

「すごいね」
まだ新しい店内をぐるりと見渡す。ロコ調の家具が揃えられていて明るい。マリンシューズやウェアなどのダイビング用品も並べられていた。木の匂いがして、落ち着く空間だった。
「そうだろ」
「お父さん、ずっとお店出したいって言ってたもんね」とハナが微笑んだ。

「これ、やるよ。履きやすいから」
手渡したのは、島ぞうりと呼ばれているビーチサンダルだった。足に触れる部分は白く、鼻緒と底のゴムがピンク色だ。
「ありがとう」
「すぐそこが海なんだ。散歩でもするか。空も星が綺麗だぞ。今は満月に近いから、明るくて少し見えにくいけどな」
外に出る。少し歩くと、桟橋があり先の方まで移動した。そこに座るとヨウイチが寝そべるので、ハナも真似た。