「ありがとう。愛を見て、あったかい愛を感じてくれたんだね。僕も君の明るい愛を感じられて心地がいいよ」と微笑んだ。
少女は書道家がとても澄んだ瞳をしている青年だと気づくと、頬が染まった。キラキラと周りが輝いて見えた。
「私、弟子になれますか?」
「いいよ。僕の弟子になるといい」
「本当に? やった!」
「うん。お母さんは近くにいるかな?」
「いるよ」
「じゃあ、お母さんにも書道を習っていいか聞いてごらん」
「わかった!」
くるりと身体をひるがえして母親の元に行く。つむじ風のように戻って来ると「いいよって!」と目を輝かせて彼に伝えた。