「俺も、あだ名ほしいな」とハルカが、スイカを食べながら呟いた。
「なんで?」
「俺、昔からハルカって呼ばれるからさ。ハナちゃんみたいにハー呼びにしてもらおうかな。ハーくんとかどう? ハナちゃん、呼んでくれる?」

隣にいたミナトが「ハルカ、あだ名あるば! ヤエのおばぁがよ、やなわらばーってハルカのこと言ってたど」と得意げに伝える。
「それ悪ガキって意味だから! ただの悪口だから! ミナト、あだ名はもっと愛のある響きの名のことを言うんだよ」
「でも、ヤエのおばぁの言う事も間違ってはないよね」とナギサがミナトと顔を見合わせる。
「あらぁ、おばぁのやなわらばーの呼び方にも愛があるんじゃない? ふふ」とアサミも笑う。

「いやいや標準語で悪ガキって呼ばれて、はーいとか返事する俺を想像してみろよ。おかしいだろ。ねー、ハナちゃん?」