「ありがとう。私、カイリくんのこと、好きになって本当に良かった」
泣きながら笑うヒバリに健気さを感じた。守ってあげたいとかそういう風にも感じていたなと、昔のことをぼんやり思い出した。
それから、すぐに感謝する。
「うん。俺も」

みぞおちにあった重りが溶けたようだった。
カーテンの隙間から、明かりがこぼれている。
その光に誘われるように「戻るか。前園もスイカ食べてけよ」とカイリが立ち上がると、ヒバリが腕を掴んだ。
「カイリくん。私ね、まだカイリくんのこと、好きなんだよ」と言った。