「昔のこととか話されても困ると思うけど、聞かれたこと誤魔化したこと、後悔してた。なんで別れたいのって、理由言えなかったから」
「理由、そういえば教えてくれなかったね」
うんと頷いた。
「あのときは、言いたくなかったんだ。ただ前園を嫌いになったとか幻滅したとかそういうんじゃなくて、自分の問題で一緒にいたくないと思ったんだ。嫌な思いさせて、本当にごめん」
ヒバリは、ううんとかぶりを振った。
「嫌われたのかとか、なんか変な事言っちゃったかなとかあれからけっこう気にしてたんだよ」
「うん。悪かったと思ってる。本当にごめん」
ヒバリは怒ったような顔をして見せていたのだけど、どこか胸の中が軽くなっていて、なんだか笑えた。
「なに笑ってんだよ」
「ううん。なんかおかしくて。カイリくん、そんなこと気にするひとだと思わなかったから。もう私と付き合ったこともなかったことにして、今頃、可愛い彼女がいたりとかしてるのかなって思ってたから。意外だなって。ちょっと嬉しい」
「可愛い彼女とかできてねーし」