男子数人がそれだけで心を鷲掴みにされたし、カイリも可愛い子だなと印象に残った。それからすぐに「すっごい可愛い子が転校してきた」と話題になり、他のクラスの男子も覗きに来る始末だった。
ヒバリがカイリの隣の席になると、たまたま委員会も同じになった。家も近かったせいかたまに学校のない日でも見かけたりもした。
だからか、女子の中では比較的話す子になっていた。けど、共通の話題があって盛り上がるとかそういう感じではない。
委員会のことや、とりとめのないことをたまに話す位だ。
ただ口数が少なくても、いるだけで明るさを感じたり、ときどき優しい気持ちになるので居心地は良かったのだと思う。
そこが他の女子とはなにか違かった。
なんのきっかけかは忘れてしまったのだけど、委員会で残った帰り道、話しながら帰った。そのとき、ヒバリから好きだと言われて驚いたけど、どこかくすぐったくて嬉しかった。だから、自分もヒバリのことが好きなのだと思って、そう伝えたらすごく嬉しそうな顔で笑った。その瞬間、彼女の笑顔が特別になった。
だけど、ヒバリのある一言で、急にその気持ちが冷めてしまった。
だからか、今思うとそれは本当の恋だったのか、少し自信はなかった。
ただ別れ話をした際に、理由も伝えられなくて、一方的すぎたことで傷つけた気がしたのが今も心の片隅に引っ掛かっていた。