「……あー」
どこから話していいかわからない。今も好きだなんてこときっと、言っちゃいけないだろう。
「気になるなら、ヒーちゃんと少し話したらいいのに。私じゃなくて本人に訊くのがいちばんだよ」
「まあそうだけど」と困ったようにわしわしと前髪をかいた。こういう顔をカイリもするのだなと、ハナは思った。淡々としているように見えて、そうでもない。 珍しく歯切れも悪い。

微笑ましく感じて
「ごめん。意地悪言ったね。ほら、私はヒーちゃんの味方だからさ。あ、カイリの味方でもあるけど。どっちも好きだから、なんか二人が気まずそうな姿見てるのは嫌だなって思っただけ……あと、ヒーちゃんからはカイリと付き合ってたこと聞いたくらいで詳しい話は知らない。なにも言ってなかったよ。カイリのこと悪くも言ってなかった」
「………」
「なにを心配してるの？」
「別れ方が、あんまりよくなかった気がしたから」
ようやくこぼれた本音だった。傷つけたと反省しているようだった。