ハルカはヒバリがカイリの元カノということは覚えていないようだったので、どこかほっとした。からかっていい雰囲気ではない。
ナギサは早速、花火が手にかかり軽い火傷をして苦笑いする。ハルカが花火を振り回していると、ミナトが真似をするのでアサミが止めた。煙の中、みんなの姿が見えなくなり、現れる。慌ただしくも楽しかった。
ハナは花火の写真を撮ろうとしたのだけど、うまくいかない。動画を撮影して、ソウメイにメッセージを送ると『綺麗だね』と返信が来た。ハナのお気に入りのくまのスタンプつきだ。思わず嬉しくなる。
カイリは部屋にいるのかな。気になってカイリにも『花火、楽しいよ』とメッセージを送ってみた。
『そう』
『カイリも来たら? 今から打ち上げ花火だよ~』
『パス』
『じゃあ、窓から見てて!』と送って、打ち上げ花火を並べた。
デッキにハナとヒバリが腰かけると、ハルカが順々に火をつけていってくれた。赤や黄色の火花が空に向かう。とても綺麗なはずなのに、なんだか今日は切なさが続いてしまう。自分のことではないはずなのに。