彼女は目を潤ませると
「良かった! 私、ハーちゃんに会いに来たんだよ! 探すの時間かかるかなって思ったけど、すぐに見つかって良かった!」
「えっ? 私に会いに来たの?」
「うん。ユカリンからハーちゃんが沖縄に引っ越したって聞いてたの。私、たまたま家族旅行で、こっちに来ることになったから、ハーちゃんに会えたらいいなと思って来たんだ」
ユカリンとは2人共通の地元の友達であり、ハナは今も連絡を取っていた。だけど、ヒバリのことはなにも聞いていなかった。

「そうなんだ。それなら、ユカリンに私の連絡先聞いてよかったのに!」
「久しぶりだから、覚えてるかなって思って、聞けなかったんだ」と消極的な笑顔になった。
「覚えてるに決まってるじゃん!」

その様子を見守っているナギサにハナが
「あ、友達のヒバリちゃん。小学校のときからの友達なんだ」と紹介した。
ヒバリがナギサを見た瞬間、顔が強張った。どうして、こんなところに――と思って、一気に心拍数が上がったのだけど、「こんにちは」と取り繕って挨拶をした。