島の人だろうか。
かりゆしウェアと呼ばれるアロハシャツのようなものを着て案内をしている男性は、ひとつひとつのパーツが大きく印象的な顔立ちだった。

日本のはずなのに、外国に来たみたいだ。
ゆさゆさ揺れるヤシの木も、飛行機から見下ろした際に見たエメラルドグリーンの海も、緑の島々も新鮮でとても感動的だった。
(こんな素敵なところに住んでるんだ)
自然と胸が弾む。

ハナは、ここからさらに高速船で15分程にある月島(ツクィシマ)に幼い頃、慕っていた先生、篠宗明(シノソウメイ)が住んでいると知って会いに来た。
というよりも、移住することにしたのだ。

あれからというもの、ソウメイは海外を本当に点々としていて、至るところから手紙やハガキで近況を教えてくれた。先生の字の温かさを感じられて、その便りがくるのをいつも心待ちにしていたし、手紙を送れることも幸せだった。