「へぇ、パッド?フロント?よくわかるね、俺もネジがないなぁと思って窓の光に当てて見てたんだよ、そしたら手がすべっちゃった(笑)詳しいね」
優しい笑顔……
「うちが眼鏡屋なのでつい見てしまうんです、すみません、勝手に見て」
「眼鏡屋なんだー、どこの?」
「えーっと、それは……すみません」
「ん?どうして?」
「昔……眼鏡屋って話したら宣伝してるのかって言われた事があって……」
「あー、なるほど、じゃあ、俺からの質問なら答えてくれる?」
「え?」
「そうだなぁ、駅前の眼鏡の森下とか?」
「どうして?あっ」
百華は慌てて口を両手で塞いだ
「フッ、当たり?」
百華は黙って頷いた
「俺ねそこでいつも買ってんの(笑)大手チェーン店の眼鏡屋が増えてる中でさ、家が眼鏡屋っていったら個人店じゃん?高校からも近いし」
「……はい」
「じゃあ、君は森下さん?」
先輩は百華の制服に裏返して付けていた名札を手に取る
授業中以外は名札を付けなくてもいいことになっているからみんな大抵は裏返しにしていた
「遠藤さん?」
「はい、母の実家なので……」
眼鏡をかけたものの、ぐらついてまた外す