自分でも何をしているかわからないが、先輩にガンガン話しかけ半ば強引に家にあげたのは間違いない

あれ?私関わらないって決めたんじゃなかったっけ……

考えながらも身体が勝手に動く、何かせずにはいられなかった

ドライヤーも持ってきて先輩の靴の中を乾かす

「百華ちゃん、ありがとう(笑)」

「いえ……」

暫くドライヤーだけの音が玄関に響いていた


玄関のドアが開くとおじいちゃんが顔を出した

「堤くん、この眼鏡、1週間ほど預からせてもらうよ、ネジを取り寄せるから」

「はい、わかりました、あっ!」

ドライヤーを止めていた百華はびっくりした

「どうしたんですか?」

「いつものクセで部活終わってコンタクト捨てちゃったよ」

「捨てる?」

「うん、1dayの使い捨てを使ってるんだよ」

「もったいなくないですか?部活だけって」

「百華」

おじいちゃんに名前を呼ばれ

しまった!

と口に手をあてる

そして小さな声ですみませんと先輩に告げた

先輩はいいよと優しく言ってくれた