そんな、自分に言い聞かせるような言葉を吐いた後で、部屋の線が歪んだ。


ああ駄目だ、こんなこと言ったら、なんか余計に虚しくなってきた。


いい加減気持ちを切り替えるために、私は風呂場に向かった。




風呂から上がって髪をタオルで拭いていたら、テーブルに置いていたスマホが鳴った。


【ごめんやっと仕事終わった。埋め合わせ、直近だと明日か明後日だけど、都合どう?】


メッセージを読んで、さっきまでの暗い気持ちが一気に吹っ飛んだ。

お疲れ様!埋め合わせ、明日がいいな、と返信して、私は早速、明日着て行く服を考え始めた。



誕生日なんて、いつかは忘れるかもしれないし、そんな日が来るかもしれない。


けれど、覚えている今のうちだけでも、1年に一度だけの今日という日は、ソワソワしたりドキドキしたり、純粋な気持ちで迎えたいと思った。