北陸地方のイメージ。
雪が多く、食べ物が美味しい、加賀百万石。
といったところか?

最近なら、アニメや、アート、ドラマロケのイメージもあるかな?

レンは、隣で運転する カスガを 眺める。


北陸は、日本海に面する地域において、世界レベルの工業集積地帯だ。
三つの都市圏からも、等しい距離に位置するし、環日本海でも、中央に位置する。

北陸新幹線も、通ったしな。

でも、国内だけの見方じゃない。

昔から、アジア側 海外の 交易、防衛の玄関口ともなっている重要地域だ。いうなれば、半島が出っぱってる分、中韓国に接近している。

近年なら、電子、デバイス、回路製造業が高い産業。
繊維、医療分野も強いな。
北陸は、オンリーワン企業、独自技術の企業を多く有している地域だ。常に研磨している。

ふと、海を飛ぶ 海鳥に レンは目を移した。

強くて、安定した風に見舞われる風土か。

風力発電も 企業進出がされ現在、風力車は81基ある。
一時は90基はあったな。

海洋上型、風力発電のポテンシャルも大きい、。
ヨーロッパみたいな、海上風車の商用運転が、これから 続々と始まる。
この風のせいだな。

航空機、宇宙部品の生産。
航空機産業クラスターも 北陸は発足させている。

そろそろ、レン1人でカバー出来る量ではなくなる。

レンは、企業研究部の営業、全国を飛び回る。
もともと大学では、電子研究をしていたが、そのまま 残る事はしなかった。

家業を継ぐ事を拒んで、大学進学で上京。そのまま仕事を理由に、郷里に帰らなかった。

そして ようやく、この春
母親が亡くなった事で 郷里の土地を踏んだのだ。

その事が、レンに心境の変化をもたらしたのか?


企業の研究部署といって、研究メインではない。
大学の研究されたモノを 企業として商品やシステムに転換するための構築研究といったところか?

レンは、その大学や全国の研究機関を回って

真金に成り得るモノを見極める。そこそこに役職ありだ。


この国は、この一瞬にも
新しい未来が 生まれている。

その、尾翼に 手を伸ばし続けて


ひた走ってきたレンは、少し その手を ヒトに
預け拡げた。



海鳥は 高く 高度を上げて、
後ろの セルリアンブルーの空に
吹き消えた。




「カスガ、この松林が開けたら 芝生の 『道の駅』が左に出てくる。そこで、交代するよ、運転。」

どこまでも 広い空の下、低い松が続く 。
それでいて、開放的な国道を
気分良さげに 走らせる後輩に、

レンは 明るく 告げた。