「……実は、アナタ達のくぐった扉が、魔力不良だったようで……その……」

「はっ?」

「他の生徒達は、花畑でピクニックというレクリエーションでしたが……アナタ達だけ洞窟のダンジョンに転送を…………」

「はぁぁぁぁ────っ!?」

「いや、ですから……アナタ達だけホントに課題にしてしまったようで……」

私達は絶句した。
おかしいとは思っていた。
入学してすぐに、あんなミッションを与えるレクリエーションとか!?
どう考えてもアレは楽しいお遊びではなかった。

「本当に申し訳ない……皆さんには何かお詫びを……」

校長がセーラの前で指をパチリと鳴らすと制服はキラキラと光るドレスに変わった。

「素敵……」

「君にはあちらを……」

今度はノアの前で指を鳴らすと、そこかしこから女子生徒達が現れてキャーキャーとノアの周りを囲んだ。

「ノア様、お話お伺いしたいですわ!」

「あら、ノア様は私と……」

「あはは、みんな押さないで押さないで~」

そのまま女子生徒達に波の様にさらわれてしまった。

「アナタには、コチラを……」

今度はルミエールの前で指を鳴らす。

すると……

ルミエールは何やら制服のポケットから、ゴソゴソと一枚の白い紙を取り出した。

「……おやまあ、これはこれは……」

それを確認し、チラっと私を見て不敵に笑う。

「あら、それはデューイ様ですか?」

隣にいたセーラは、ルミエールの紙を覗き込もうと必死になった。

「……いけませんよ、セーラ様コレは僕が頂いたものですから」

「一瞬でいいから見せて下さいまし!」

そんな二人のやり取りを見ていると、ポンっと肩を叩かれた。

「アナタは…………」

校長はフッと微笑んだ。
そして、私の耳元にこっそりと囁く。

「女性ですよね……」

私は、ハッとなってすぐに距離をとった。
ゲームオーバー。
私の頭の中でそんなワードと、あまりにもそれが早く訪れた事に自分の不甲斐なさを痛感した。

「やはり、そうでしたか……本来なら我が校は男子校ですから入学は取り消しのトコロですが……今回はこの不祥事を秘密にして下さる事を条件として、入学を許可します。その代わり男子生徒として過ごして下さいね」

「えっ……いいんですか?」

「今回だけは特別です」

中指を口元にあて、校長は片目を閉じる。

初日から色々あったが……
私は、この学校に正式に入学出来たようだ。