「コレが、セブンスフォースの本来の姿だよ、入口の前に特殊な結界が貼ってあってね、見た人の学校のイメージによって見え方も違う、中に入れた者だけが本当の姿を見る事が出来るんだ……」
だから私には普通の校舎にココが見えた、という事か……
大きくて立派な扉、校舎は全て霧に覆われていて一部しかハッキリ見えない。
建物というより大きな影、といった方がしっくり来る。
茂みの中にひっそりと現れた、大きな両開きの扉が音を立てて開いていった。
私は期待と緊張の混ぜこぜになった気持ちで、扉が開く様子を見ていた。
中から溢れた眩しい光が、辺りを照らしてゆく。
そして──
「キャ────っ!! いらっしゃいましたわ~!!」
「まあ、アノ金髪の方……素敵」
「隣の角の方も……わたくし好みですわ」
突然、物凄い黄色い悲鳴というモノに取り巻かれた。
「…………アノ~、校長? コレは一体?」
開かれた扉の向こうは、絢爛豪華な大広間になっており華美な装飾と立派なシャンデリア、そしてその下には大勢の女の子達がいた。
私が訳もわからず周囲を見回していると、後から壁を越えて来た別の新入生達はこの状況に興奮気味だった。
「うぉ~っ!! やった! コレがあるからセブンスフォースに入ったんだよ!! 」
「苦労した甲斐があったってもんだよな!」
皆口々に、この状況を理解し喜んでいる様子だった。
「一体……何なんだコレは……?」
相変わらず状況を理解出来ない私の顔を、ノアが意外そうな表情で見てくる。
「えっ……まさかデューイ君……知らなかったとかじゃないよね?」
「何の話しだ?」
「ココ、セブンスフォースの恒例入学行事だよ! 近くにある聖パトリシア女学院との合同レクリエーション!」
「はぁぁっ!? 何だそれっ! 第一、入学式だってまだなのにレクリエーション!?」
どう考えても順番がおかしい。
それを言ったら試験の時点でまあ、おかしいのだけど……
「正式な入学式は明日、レクリエーションの後だよ~ともかくこのレクリエーションの為にこの学校に入るくらいの人気行事なんだから~」
「人気行事? 何でっ?」
「聖パトリシア女学院は、この辺りでは有数の貴族の娘達が通う女子校! 魔法士育成学校なんて、みんな男子校だからさ、悲しい青春しか送れないじゃない!」
ノアの目はココ一番で輝いていた。
「だ~け~ど~、このセブンスフォースのレクリエーションでは、聖パトリシアの生徒達との交流イベントがあってね~、それこそ可愛い彼女だって作るのも夢じゃないワケ~」