そして満月の夜、私は父親を殺した。
 しばらく放心したように父親の死体を眺めた後、首を切断した。
 血が滴り落ちる父親の頭を下げ、満月の夜道をさまよい歩いていた。
 やがて山に登った私は、満月に向かい、
 「ウオオオオオオオオオオーーーーーーーーー」と、狂ったように叫んだ。
 その声はまるで、狼の鳴き声のように、夜の町に木霊した。