穿たれた脇腹を抑えながら緒方龍彦は片膝をついた。

その姿を見た真白は提案を持ち掛ける。

「お互いに怪我をおいました、この辺で痛みわけといかないでしょうか?」

どちらが重症かと言えば、片膝をついている緒方龍彦だった。

「ふざけんじゃねーよ、ここからが本番だろう」

緒方龍彦は即座に真白の提案をけって、何事もなかったかのように起き上がる。

いくらアドレナリンが出ていたとしても穿たれた傷口から滴り落ちる血液と、それにともなう痛みは相当にあった。

それでも緒方龍彦はたった。立たなければいけなかった。