ガードレールをまたいで道なき道を進んで行くと、木々たちの姿はなく開けた敷地があった。

そこは明らかに人工的に整地されていて、奥の方に小さな物置小屋のような建物があった。

ここを整地するのに必要な道具が入っているように思われる。

しかし、その整地作業はもう何年も前に終えているようで、物置小屋の壁は白く変色し、所々腐っているように見えた。

整地作業が今なお行われているなら、当然、人の立ち寄った気配のようなもがあるはずだが、周囲を見る限りには人が立ち寄った気配はない。

ここに真白を連れてきたのは、そのことを知ってのことだろう。真白の隣りにはセシリーもあたりまえのようにいる。

緒方龍彦はセシリーに向かって帰っていいと言われたがセシリーはかまうことはないと丁重に断りを入れて無理やりについて来たのだった。