繫華街

緒方龍彦は、数人の仲間と共にある人物を探し歩いていた。

それは今、街で噂になっている人物。

金糸の髪色をして、赤と青のオッドアイ。

それから人形のように美しい少年を探し歩いていた。

緒方龍彦の傍らを歩く一人,赤髪で奇抜な髪型をしたアキラの姿があった。

「あいつは人間じゃねーよ!」

あの日、息も絶え絶えでアキラは龍彦の前に現れた。

助けを求めるために。

龍彦はアキラの話しを黙ったまま聞いた。アキラが一通り話し終わるとおもむろに立ち上がり、アキラの左頬が歪むほどの拳をぶつける。

「それで、お前は仲間を見捨てて逃げてきたのか?」

龍彦の激怒した怒号があたりに響き渡った。

殴られたアキラは後ろに数メートル吹っ飛び、そのままの勢いでブロック塀に激突した。

アキラは頬を抑えながら、
「・・・・・・・すまねぇ、びびちっまった・・・・・・・本当にすまねぇ」と悔し涙を流しながら龍彦に詫びた。