県、西区は主に住宅街だ。元々は森と山だったがここ最近、と、言っても50年前よりもっと前には森林を伐採し、山を削り、そこに住む動物を追い出して、今ある形の住宅街が急速に成長したのだろう。

土地柄のせいか、タワーマンションのような高層な建物は存在しない。そのほとんどが旧家屋をおもいださせるような木造建築で、今では風情がある建物と言っても過言ではないのかもしれない。

繫華街近くの中区や東区といった場所では木造建築の建物が物珍しくなってきている。

まあ、風情があると言えば聞こえがいいが、平たく言ってしまえば田舎なのである。

そんな田舎に一際異彩を放つ建物がある。

それは住宅街から少し離れた場所、丘の上にある白い洋館だった。