上を見上げれば2階があり、陽一たちが入ってきたドアが60個以上、1階を囲むようにある。
もちろん、陽一達がいる1階も、西側だけにドアがずらっとある。
そして、そのドアから、幽霊たちが次々と出て来る。2階から入ってきた幽霊たちは、階段を使い1階に降りる。そして、北側にある通路へと向かう。
さっきの光景を見て、陽一は自分の目を疑う。
幽霊は、物に触れる事が出来ないはずなのに、さっきの幽霊は階段を使い、自らの足で通路に向かった。
しかし、陽一は、さっきの長い階段を下り続けたので疲れいるんだ、と解釈をする。何となく、隣に居るメリーを見た瞬間、陽一は固まる。
メリーが履いている、かかとの低い黒い靴が床に着いていたのだ。
「ちょっと待て!なんで、床に足が着いてるんだ?!てか、さっきの幽霊階段使ってたよな?!」
陽一はやはり見間違えじゃないと確信して、メリーに迫るように質問攻めをする。
『G.S.Sは、特別な空間で出来ているから、幽霊でも物に触れたりする事が出来るのよ』
陽一は謎が解け、自分の目がイカレた訳ではなかったのかと、一安心する。