真っ暗なトンネルの中、トンネルの壁には無数のろうそくがあり、足下が薄明るく照らされる。
トンネルは左右壁に囲まれ、幅は横に3人肩を並べて歩けるギリギリの幅。狭い中でも、陽一はひたすら階段を下り続ける。
相変わらず、メリーは浮いてる状態で、陽一の前を進み続ける。時々、メリーは、陽一の様子を伺いながら後ろに振り向く。
『大丈夫?』
メリーは、陽一の様子がおかしい事に気がつき、心配そうに問い掛ける。
「あぁ。大丈夫……じゃあねぇよーー!異常すぎるだろ!この長さ!俺を何処まで連れて行く気だよッ?!てか、お前はいいよな!浮いててよ!」
中々、G.S.Sに着かないので、陽一はぶち切れ、メリーに八つ当たりをする。
陽一たちは、どれくらい進んだのか分からなくなるぐらい進んだ。目を凝らして先を見つめるが、やはり暗闇で覆われて何も見えない。まだまだ先が見えない状況に酷く落胆して、陽一は溜息をついた。
『元々、このトンネルは幽霊専用だったから、階段なんてなかったのよ』
「じゃあ、何で作ったんだよ?!」
メリーの言葉に矛盾を感じ、陽一は言い返す。
『特殊能力を持つ人が増えたからよ』
「それと、どう関係があるんだよ?」
陽一は見当がつかず、メリーの発言に首を傾げる。