『落ち着いて。話しを進めるわ。貴方の特殊能力は、悪霊からの攻撃を無効に出来る、無効果の力を持っている』
「触ったりするのと、同じじゃないのか?」
『違うわ。昨日、貴方は私の水の壁を壊して、邪念をまとってた悪霊にも攻撃が出来た。それが証拠よ』
メリーの言葉を聞き、昨日ことを思い出す。
何故、悪霊から飛んできた石が竹刀で砕けたのか、メリーが創った水の壁を壊すことが出来たのか、邪念をまとった悪霊に攻撃が出来たのか、全てのつじつまが合い陽一は納得する。
「つまり、幽霊の力だろうが、悪霊の邪念だろが関係なく攻撃・守備ができるんだな?」
陽一の問いに、メリーは頷く。
『じゃあ、説明も終わったから、そろそろ行きましょう』
「何処へだ?」
『G.S.Sへよ』
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「で、なんで“ここ”なんだ?」
陽一はこの場所に納得がいかず、メリーに質問をする。
『ここって?』
メリーは陽一の先頭に立ち、目的地に向かって進んで行く。
「だーかーら!なんで、公園の裏にある林に来てるんだよって聞いてるんだ!」
夏の日差しが強まる晴天下の下、静かな林の中で陽一の声が響き渡る。