陽一達は、互いに別々の方向へと行きながら、悪霊の攻撃をかわす。メリーは唱え始める。
『行け!水鳶ッ!』
メリーの合図と共に、多数の水鳶は悪霊に攻撃をしかける。
【無駄ヨッ!】
黒いオーラは蛇の形になり、水鳶に絡みついた。蛇の巻きつける圧迫に負け、水鳶は原型を無くし、水に戻って地面にこぼれ落ちた。
『まだよ!』
ゴ--------ッ!
メリーは、大量の水を悪霊に向ける。
大量の水は悪霊の周りを囲んだが、黒いオーラにより弾かれてしまった。
弾かれた大量の水は、雨のようにメリー達に降り注ぐ。
【貴方ノ攻撃ハ一切キカナイ…私ノ勝チヨ!】
『それはどうかしら?』
メリーは、悪霊に不敵な笑みを浮かべた。悪霊は疑問を抱く。攻撃が届いてないはずなのに、何故、余裕な表情をしているのかとーーー。
【ッ?!】
突如、背後からの何者かの気配に気づく悪霊。
これは作戦だった。メリーが水鳶で悪霊を注意を引きつけ、水の渦で悪霊を覆うことで、陽一が悪霊の背後に近づいても気付かれないようにする為の陽動作戦だったのだ。
悪霊は全てを悟り、慌てて陽一に振り向く。が、時は遅く悪霊の腹部に竹刀が入る。
「はぁぁぁぁーーーーーーッ!」
陽一の渾身の一撃により、悪霊はその場に倒れ気を失う。