悪霊は、メリーの攻撃を間一髪に避けた。


またしても、メリーに邪魔をされ悪霊は苛立ちを露にする。


『彼に指一本触れさせないわッ!』


メリーは、強い眼差しで悪霊にこん棒を向けた。


【邪魔ヲ…スルナー!】


悪霊は、再び石を宙に浮かせ、メリーに攻撃をしかける。


メリーは避け、水の玉で石に迎え撃った。水の玉が石に当たったのと同時に、石はメリーの前で砕け散った。


悪霊は、砕けた散った石を見つめ動揺をする。何故、水ではなく石が砕け散ったのかとーー。


『私は、水を自由自在に操ることが出来る。もちろん、水の“硬さ”も自由自在にね』


悪霊が疑問に感じている事に気付き、丁寧に説明をするメリー。凜とした表情で、動揺を覚醒悪霊の瞳を見つめる。


「おい!ここから出せよッ!」


一方、陽一は会話のみが聞こえる状態で、放置をされている。今、出来ることは水壁の内側からメリーに叫ぶことのみ。


『ダメよ!貴方は、そこに居て!』


メリーは、なにがなんでも陽一を出す気はなかった。


これ以上、陽一に危険が及ばないように護るため。陽一の気持ちが分かっていても、心を鬼にした。