「冗談は置いといて。おもしろい話を聞いたんだ」
「何だよ?おもしろい話って」
陽一は、慶太の話に興味を持ち、食いついた。
「それは、お前の家に行ってからのお楽しみだ」
「……ふーん。いいぜ。家に寄れよ」
陽一は、慶太の悪巧みな表情に引っかかりを感じるが、好奇心に負けてしまい話に乗る。それが運命を大きく変えるとは知らずに、、、。
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「で、おもしろい話ってなんだ?」
陽一の部屋に着き、床に座り込んでいる慶太に、ポテチを渡しながら陽一は尋ねた。
「お前、“メリーさん”って知ってるか?」
「メリーさん?」
聞いたことのない言葉に陽一は、怪訝そうな顔をする。
「知らねぇのか?さすが剣道バカだ」
案の定、何も知らない陽一が面白くて、慶太はバカにしてゲラゲラと笑う。
「もう食うな」
陽一はバカにされた事に腹を立て、慶太からポテチを取り上げた。
「悪かった!悪かったから、俺のポテチを取り上げないでくれ!」
「これは俺のだ。いいから、早く教えろ」
陽一は、メリーさんの正体が何なのか、気になりだし慶太が早く話すようにせかす。