陽一は、疲れた顔で自転車で坂道を下りていた。
原因は、喋るマシンガンとの戦いに疲れていた。その上、武志に稽古をつけられたため、帰る時刻が遅くなってしまった。
時刻は7時。季節が夏に入っているので、日は長くまだ辺りも明るかった。
それにしても、まさかあんな条件を出してくるとは…。
条件とは、今月の7月下旬に行われる“全日本少年錬成大会”で優勝すること。
それに優勝できなかった場合、修理費+道場の掃除をさせられる。
勝った場合は、今回の修理費と1回の修理費をタダにしてくれる。
てか、負けた場合の孫使いが荒すぎだろッ!
まぁ、そうならないように優勝すればいいんだ…。勝って、シジィの腰を抜かしてやる!
陽一は坂道を下り、近道の林の道を通る。時間帯が遅いせいか、誰も通っていなかった。
なぜなら、林の中に建っている老朽して使われていない神社が原因である。林の間から見える神社が、薄気味悪く誰も近寄らないのだ。
陽一は、自転車を漕ぎながら神社をなんとなく眺めていたが、突然ブレーキをかけて留まった。