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「おーい。ジジィ!居るかー?」


翌日、陽一はメリーに言われた警告を聞かず、いつもの様に学校に行き、部活が終わった帰り道に祖父ー武志の所に来ていた。


家に鍵が掛かっていたので、陽一は隣にある道場に向かう。


道場を覗き込むと、お世辞で綺麗とは言い難いぐらいに、ボロく老朽化が進んでいた。


武志は、小さな剣道道場で師範をしている。


陽一が、剣道をするキッカケになったのは、幼い頃から武志に稽古を着けてもらっていたからだ。


陽一は靴を脱ぎ、道場に上がり込む。中は、誰もいない。窓から蒸し暑さと涼しげな風が入り交じり、道場全体に広がっていた。


いないのか…。珍しいな…--ッ!


背後から襲ってくる気配を感じ、陽一は竹刀袋から竹刀を取り出して応戦する。


「ほぉー。昔と比べて反応が早くなったな。さすが、わしの孫だ」


坊主頭をした武志が、陽一の反射神経を見て嬉しそうに微笑む。陽一は、武志から不意討ちを受けたのだ。


「当たり前だろ…。俺は、今まで散々てめぇのふざけた遊びに付き合わされたんだからな!」


陽一は、武志から受け止めた竹刀を力いっぱい突き飛ばし、距離を開けて後退した。