「俺は、誰かに護られる気はない。特にお前たちには…!」


陽一は、メリーを睨み付ける。その瞳は、敵対心を示していた。


その理由は、メリーのやり方を気に入っていないからだ。


『…それでもいいわ。貴方の意志に関係なく、私は護るから』


陽一に睨みつけられているにも関わらず、メリーは平然と答えた。


互いに見つめ合い、重い沈黙が流れる。


『…明日の夕方にまた来るわ。それまでは、絶対に家から出ないように。

まだ、貴方に説明しないといけないことがあるから』


「……」


メリーは、これ以上話せば言い合いになると思い、一旦引き下がる事を選ぶ。優しく話しかけるメリーに対して、陽一はメリーの言葉を聞いても無視をした。


『…じゃあ。また明日』


メリーは、窓から出て行った。陽一は、窓から出て行ったメリーを見つめる。


昨日と同じ純白のワンピースを着ているせいか、真っ暗な夜でも目立っていた。


メリーが、だんだん小さくなり見えなくなったのを確認し、陽一はベットに倒れるように寝転がる。


ちくしょお…。これが、夢だったらよかったのに。


突きつけられた現実は、陽一にとってあまりにも残酷すぎた。