『…悪霊に狙われるからよ』
「は?!意味分かんねぇんだけど?!てか、悪霊ってなんだよ?!」
陽一は、次々と出てくる言葉に、頭が追いつかず、思わず頭を抱え込む。
『悪霊とは、現世に強い恨みと怨念を持った霊が「待てー!霊ってなんだ?!幽霊じゃないのか?!」
陽一の混乱は、さらに増した。メリーは、混乱している陽一の為に、丁寧に話を始める。
『説明するわ。死後の人や動物を霊。人を脅かすたり、人と霊を守るのが幽霊。
現世に強い恨みや怨念を持っていて、人に危害を加えるのが悪霊』
「わ、分かったが、幽霊が人を驚かすのは必要なのか?」
陽一は、なぜ幽霊が人を脅かすのが前提の話なのか不思議に思いつつ、それは必要ないと考える。
『必要よ。…だって、人が怯え恐怖に堕ちるあの顔!あの瞬間が、やり甲斐があって最高なのよッ!』
「最低だな」
キラキラとした目で、嬉しそうに話すメリーの悪趣味に、陽一はドン引きをした。
そして、メリー以外にも同じ考えを持っている幽霊がいると思うと、陽一は気が思いやられると肩を落とす。
『ゴホン。そ、それは表向きで、本当の目的は、貴方みたいに霊感の高い、または特殊能力のある人を保護する為』
メリーは、自分が取り乱したのをごまかすために咳ばらいをしたが、それはもう手遅れだった。