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放課後、部活も終わり陽一と慶太は一緒に帰っていた。
「お前、なんか今日変じゃないか?珍しく苛立ってるし」
「うるせぇ。苛立ってねぇよ」
いつもと様子が違う陽一に気付き、心配する慶太。しかし、陽一は否定をするが苛立ちを隠せずにいる。
原因は、学校中に居る幽霊。非現実な体験をしている陽一は、人一倍いろんな意味で疲れている。
幽霊たちのせいで、授業や部活に全く集中ができなかったのだ。おまけに、まだ慶太の頭上には子猫も居る。それを見た陽一は、ため息をついた。
「それにしても、原田のじいさんは気の毒だったな…」
「…そうだな」
遡ること授業中。陽一が、心の中で老人にツッコんでいた時だ。
担任から授業中にも関わらず、原田だけが呼び出された。
原田は先生と話を終えると、自分の荷物を持って教室から出て行った。
もちろん、老人も原田と一緒に教室から出て行った。
原田に取り憑いていた老人は、亡くなった事を意味する。
それに、いち早く気づいたのは陽一だけ。のちに、慶太たちは先生から伝えられた。