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おいおい…どうなってるんだよーーーッ!


陽一は、心の中で叫ぶ。今は授業中。声に出したくても出せず、陽一は、ずーっと“ある者”と葛藤していた。


なんで、なんで、此処にも幽霊がいるんだよーーーーッ!


陽一の教室には、たくさんの動物や人間の幽霊がうようよといるのだ。


斜め前に座っている山田の頭上には、ハムスターが乗っていた。そのハムスターは、山田の頭上の上を走り回り、挙げ句の果てには頭にかじりつく。


山田ッ!頭かじられってんぞーーーッ!


心の中で叫ぶ陽一の声は、むなしくも山田には届かない。


一方、山田は痛みを感じないのか、気にせずに勉強に励んでいた。


まぁ、こいつも大丈夫だろ。問題は…。



陽一は、ちらっと正面に座っている原田を見つめた。原田の横には、猫背に白髪だらけの老人が取り憑いていたのだ。


『千晶、千晶!じーちゃんだぞッ!分かるか?』


授業が始まる休み時間から、窓から侵入して突如現れた老人。孫である原田を見つけては、ずっと横で話しかけ続けていたのだ。


気持ちは分かる。分かるけど…頼むから、もう少し静かにしてくれッ!授業に集中できねーんだよッ!


さっきから、大声で同じ事を繰り返す老人の声が全て陽一に丸聞こえ。大声で叫び続けられ、苛立ちを感じている。