てことは、この子猫は幽霊なのかッ!
これで、何故陽一だけが見えているのか原因が分かった。
どうする…。いや、まずは何処で取り憑かれたか聞くか。
「慶太…ひとつ聞いていいか?」
陽一は、ゴクっと生唾を飲み込み、真剣な表情で慶太に尋ねる。
「な、なんだよ、そんな怖い顔して」
先程とは、違う態度を取る陽一に、たじろきだす慶太。
「…最近、何処かで猫に会ったか?」
陽一は、慶太に怪しまれないように遠回しに聞く。
「そういえば…今朝、道端で死んでる子猫がいたから、近くの空地に墓作ってやった。
あっ!手は、ちゃんと洗ったからなっ!」
慶太は、自分の手は綺麗だとアピールするように、陽一に両手を見せる。
それだ!お前が、墓作ったからその子猫に取り憑かれてたんだッ!
慶太の頭の上に乗っている子猫は、慶太の頭に体をすり寄せて気持ち良さそうに眠っていた。
しかも、超懐かれてるッーーー!
一方、慶太は子猫の重みを感じないのか、まったく気にしていない。