今日は、筋トレメニューを強化するか…。


陽一は学校に向かいながら、部活のことを考えていた。


いや、慶太の奴がサボる可能性がある。問題は、あいつをどうするかだな…。


「おはよう!陽一」


後ろから聞きなれた声に反応して振り向く。そこには元気に手を振る慶太の姿があった。


「おう。おは……」


挨拶を返そうとしたが、陽一は目の前の光景に顔が張る。慶太の頭上に、子猫が乗っていた。


陽一と子猫は、互いに目が合う。子猫は、陽一を見て“ニャー”と可愛らしい声で鳴いたのだ。


「な…なんで、頭に猫乗せてるんだよッ!」


陽一は、慶太の頭を指で指しながら叫ぶ。


「猫?お前大丈夫か?俺のどこをどう見て、猫を連れて歩いている様に見えるんだよ」


しかし、慶太は陽一の言っている意味が理解できず、むしろ、こいつ大丈夫か?と心配する。


「ハァ?!お前の方こそ何言って--!」


『だけど、明日になれば分かるわ。“嫌”って程にね』


ふと昨日、メリーの言葉が脳裏に甦る。