なにがどうなってるんだ!?
陽一は、現実を受け止め切れず、さらに混乱する。ただ、目の前に幽霊が居るという事しか認識が出来ない。
ちょっと待てよ。じゃあ、目の前にいる幽霊は………
「お前がメリーさん?!」
『そうよ』
メリーは、あっさりと答える。
嘘だろ……。いや、俺はまだ信じないぞ!これは夢だ。覚めろ!
陽一は、目をつぶる。掌を力一杯握りしめて自分の頬を殴った。目の前の光景に、冷静な判断ができなくなっていた。
痛てぇ…。これで夢から覚めたはず!
殴った痛みに耐えながら、目を開けてみたが現状は変わらず、少女は浮いたまま。
………マジかよ。
思わず床に膝まずく。生まれて14年。幽霊を信じずに生きてきた陽一にとって、ショックが大き過ぎた。
『…そう…“目覚めたのね”』
メリーは、陽一の様子から何かを察して静かに呟く。
「目覚めた…?どういう意味だ?」
『そのままの意味よ』
陽一は、意味の分からない言葉を理解しようとしたのに、メリーの冷たい返しにカチンと頭にくる。
「意味分かんねッ!てか、不法侵入してるんだ、とっとと出ていけッ!」
陽一は、メリーに逆ギレをする。