『ザァ…もしもし?今ね、階段を上っているところなの…プープー』
メリーの言葉を聞いた途端、陽一の全身から血の気が引いていく。
待てよ…。鍵を掛けたのに、なんで家の中に入ってこれるんだ?それに、なんで足音が聞こえないんだ…?
陽一の頭の中は、疑問と恐怖が支配をしていく。
「…はは!上等じゃねーかッ!」
陽一は考える事を放棄し、竹刀袋から竹刀を取り出し、ドアの方に構える。
「来るなら来いッ!」
実力行使で立ち向かう陽一は、やけくそに叫ぶ。
《♪~♪~》
また、電話が鳴り響く。
さっさと、こんな事終わらせてやるッ!
陽一は、怒りをぶつけるように舌打ちをして電話にでた。
『ザァ…もしもし?今ね、貴方の後ろに居るの…プープー』
陽一はメリーの言葉を聞いた瞬間、思考が一時停止する。そして我に返り、慌てて後ろに振り向いた。
しかし、そこには誰もいなかった。