「俺が太陽見てるから、2人でゆっくり買い物してきたら?」


腰を上げながらそう言った俺に、羽賀ちゃんと菜穂は顔を合わせる。「でも…」と申し訳なさそうに眉を下げた菜穂に、ゆるく口角を持ち上げて見せた。



「平気だって。子守りには慣れてるし」

「…ふふ、そっか、そうだね」


俺がよく妹の面倒を見ていた過去を知っている菜穂は、懐かしむようにふわりと笑う。



「じゃあお言葉に甘えちゃおうか!」

「うん」


はつらつとした羽賀ちゃんの声に菜穂が笑顔のまま頷いた。


たまには息抜きする場も必要だろう。小さな子供を連れての買い物は体力を使うし、大人の買い物に付き合っていると、どうしても子供は退屈してしまう。

もともと子守りをするつもりで来たから「じゃあ真島さん、よろしくお願いします!」と頭を下げた羽賀ちゃんに快く頷いて、2人の背中を見送った。